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第11回TRIZシンポジウムwebリポート@国立オリンピック記念青少年総合センター

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 2015年度の第11回TRIZシンポジウムは、9/3〜9/4に国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された。TRIZ協会関係者によると、参加者は、企業、大学、コンサルタント、個人の立場で、100名強であった。結論を3つに絞れば、次のようになる。

<結論>
  1. 台湾とマレーシアからの参加者の発表もあったが、新規テーマでの発表が約30%と少ない。他は、シンポジウムスタッフ関係者の発表、継続テーマの発表となっていた。
  2. 国立オリンピック記念青少年総合センターでの開催は、会場が広いため、会場間の異動に少し時間がかかる点を除けば、都心に近く、代々木公園の中にあるため、爽やかなで快適に過ごせる。
  3. ワレーリー・プルシンスキー氏の基調講演で、ハイブリッド法(組み合わせ原理)について話された点が興味深かい。要約すると次のようになる。複雑なシステムの場合は単純な組み合わせ、あるいは特性の移植だけでは矛盾を解決することは困難である。そのため、多段階ハイブリッド法を提唱している。その説明が非常に分かり易い。それらを、足し算、引き算、掛け算、割り算として図解している。
 今まで、このシンポジウムに全部参加してきたので、図1のように公表されている資料などを基にトレンドを整理してみた。

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 最近の傾向を箇条書きまとめると、次のようになる。
  1. 全般的には、参加者が減少傾向のトレンドとなっている。
  2. 初めての参加者が、一時期増加していたが、全体的には減少傾向と言える。
  3. 発表テーマ数は、トレンド的には横ばいである。これは、TRIZシンポジウムスタッフ関係者の発表テーマ数が多いためであろう。
  4. 外国からの発表者が、2年つづきで基調講演1名とテーマの発表2名であった。
  5. 海外からの参加者は、為替、景気、テロ等の影響を受けやすいようだが、少なくなっている。
 なお、シンポジウムのプログラムの内容は、次のようであった。以下に列記する。

<チュートリャル> <基調講演> <特別講演> <オーラル発表>
  1. 革新的なヒット商品は出せるのか? ― Process of QFD-TRIZ-TM (PQTT)による体系的商品開発 ―(株式会社アイデア:桑原 正浩)
  2. 幼・小・中・高専連携による創造型キャリア教育におけるTRIZの実践〜3Dブロックの創造教育への適用〜(沼津工業高専:大津 孝佳)
  3. 不便の効用を活用するシステムデザインのためのマトリックス(京都大学:川上 浩司)
  4. TRIZ活用に有効な機能分析方法(株式会社IHI:牧野 公一)
  5. 開発者がTRIZを自然に使えるような仕組みづくり〜7つのソリューションを繋げる機能ベースの展開〜(オリンパス株式会社:緒方 隆司)
  6. 日本式と新興国式のグラスルーツ・イノベーションの協調の可能性(早稲田大学:澤口 学)
  7. TRIZを含む科学的アプローチ推進のスパイラルアップ〜7つのソリューション展開を支える推進活動〜((オリンパス株式会社:藤川 一広)
  8. TRIZによる創造性教育の提案〜オープンタスク・サブ分科会報告〜(JTSオープンタスクサブ分科会:志方 敬)
  9. 創造的問題解決実践の指導ノウハウ〜 子育てから大学教育、そして企業実践まで 〜(ソニー、神奈川工科大学:池田 昭彦)
  10. USIT 適用事例集と「6箱方式」−創造的な問題解決の諸事例を新しいパラダイムで理解する−(大阪学院大学:中川 徹)
  11. 「連合ブランド電動二輪車用の着脱式電池管理システム」開発におけるQFD, TRIZ事例(台湾国立交通大学:陳 増尭)
  12. 技術・市場・社会の3方面のアプローチを組み合わせた新商品企画テクニック―誰でもできるディレクテッド・エボルーションの応用実践法―(アイディエーション・ジャパン株式会社:上村 輝之)
  13. JNC株式会社におけるTRIZ活動の変遷(JNC株式会社:吉田 尚之)
  14. Best Practice of Systematic Innovation Approach:A Case Study of TRIZ in Automotive Industry(Tunku Abdul Rahman University College, Malaysia:Yip Mum Wai)
  15. TRIZ&TM&シミュレーションによるコマの開発〜全日本製造業コマ大戦への挑戦・その2〜(株式会社アイデア:片桐 朝彦)
  16. 「成功が期待できるビジネスモデル」を構築するためのTRIZ流筋道のつけ方〜「筋の良いビジネスモデル」の TRIZ流解析とパターン化〜(日本TRIZ協会ビジネス・経営TRIZ研究分科会:池田 理)
  17. QFD−TRIZによる問題解決と商品企画(株式会社協和精工:林 政広)
  18. 顧客価値をブレストするARIZ的思考フレームワーク−ARITをもっと身近に、もっと活用−(ソニー株式会社:永瀬 徳美)
  19. TRIZ適用拡大のための一法 U〜強い商品創造のためのSWOT分析とTRIZの活用〜(株式会社 アイデア:井坂 義治)
<ポスターセッション>
  1. TRIZ利用者のすそ野を広げる発明原理ワークショップ〜 双方向・体験・自ら宣言 〜(高木 芳徳)
  2. 青色LEDの重要技術要素をTRIZ的に解釈する(USITものづくり技術サポート):古謝 秀明)
  3. 原因探索展開 (DeSC)〜問題の原因を整理する〜(MPUF:長井 哲也)
  4. 価値評価から創造する方法― 高齢者の新しいライフスタイルの提案を例として(その2)―(日本TRIZ協会・知財創造研究分科会:長谷川 公彦)
  5. サブ分科会と活動内容の紹介(JTS・新しい時代の教育・シラバスサブ分科会:黒澤 愼輔)