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第12回TRIZシンポジウムwebリポート@早稲田大学(ノーベル賞の鈴木章氏が基調講演)
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※ TRIZとは(概要を確認する)
2016年度の第12回TRIZシンポジウムは、9/1〜9/2に早稲田大学で開催された。TRIZ協会関係者によると、参加者は、企業、大学、コンサルタント、個人の立場で、約140名であった。シンポジウムについて、感想の結論を3つに絞れば、次のようになる。
<結論>
- ノーベル賞の鈴木章氏の基調講演が企画されたため、例年より約30%参加者数が増えていた。例年通り、新規テーマでの発表は30%程度である。他は、継続テーマ、シンポジウムスタッフ関係者の発表である。今年は、海外からの発表者がゼロであった。少し気がかりなことは、シンポジウムスタッフ関係者の発表だけで約50%となっており、TRIZの普及が停滞している状況を意味していないだろうか。良質のコンテンツテーマは、チュートリャルの「システムアプローチ実践編」である。これにより、TRIZの特徴を俯瞰しながら、自然に理解し易くなるものである。各企業の発表を聴いていると、矛盾マトリクスに重点を置き、このシステムアプローチの視点が欠けていると思えるからでもある。
- 早稲田大学西早稲田キャンパスは、田園都市線出口直結であるため、非常にアクセスが良い。A、Bの2つの会場も広く参加者が2倍に増えても収容可能な広さである。
- 鈴木章氏の基調講演は、2010年のノーベル賞受賞テーマである「鈴木カップリング(クロスカップリング)」について、英語のスライドを基に話された。100%北海道大学で行った研究とのこと。医薬,農薬,液晶,有機ELなど様々な場面で役立ってる点が素晴らしい。鈴木章氏から、当日2つのことを伺った。1つはノーベル賞受賞テーマは49歳ごろと比較的高い年齢での成果であったこと。2つ目は、若い研究・技術者に伝えたいこととして、「精進努力」が重要であること。望みや希望は人から与えられるものでなく自分でみつけなければならないためのようだ。
なお、シンポジウムのプログラムの内容は、次のようであった。以下に列記する。
<チュートリャル>
<基調講演T>
- 人類の進歩に役立つ科学の例(北海道大学:鈴木 章 氏)
<基調講演U>
- 難しい問題と新しい地平 TRIZにおける「難しい」という概念の変化(Practical Invention Center:アレクサンドル・クドリャフツェフ )
<オーラル発表>
- 実践につなげるための社内TRIZ教育(株式会社デンソー:久永 滋)
- TRIZで心理的惰性を打ち破り、創造力豊かにテーマを探る〜「テーマ探索ソリューション」の活用事例〜(オリンパス株式会社:土屋 浩幸)
- マネージャのためのTRIZの活用方法発明的問題解決の不確実性を管理する(HGSTジャパン:石川 善元)
- 実現したい機能から発想するTRIZ「願望型発想法」〜強い特許支援ソリューションへの活用〜(オリンパス株式会社:阿部 一夫)
- ソニー株シ導体グループにおけるTRIZ推進事例〜導入秘話、研修、実践まで(ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(株):田中 健基)
- 「リバース・イフェクツ(*)」による新規事業の創造〜技術シーズを起点とした新製品開発法の提案〜(株式会社アイデア:笠井 肇)
- Ideation TRIZ(I-TRIZ) PFを用いた アイデア展開マトリクスによるアイデア発想プロセス(富士ゼロックス株式会社:林 学)
- TRIZ&TM&シミュレーションによるコマの開発〜全日本製造業コマ大戦への挑戦・その3〜(株式会社アイデア:片桐 朝彦)
- 社会の貧困の問題に TRIZ/CrePSでアプローチする:人々の議論の根底に、人類文化の主要矛盾「自由 vs. 愛」を見出した(大阪学院大学 &
クレプス研究所:中川 徹)
- 研究大学の国際化教育へのTRIZの活用−名古屋大学工学部・工学研究科国際交流室による事例報告−(名古屋大学:西山 聖久)
- 学習支援ツールとしてのTRIZ -防災教育関連事例-(名古屋大学:レレイト・エマニュエル)
- アイデア発想の各種手法とTRIZの位置づけ(TRIZ塾:黒澤 愼輔)
- 問題解決のためのTRIZ活用術(株式会社創友:河野 友一)
- 企画から市場投入までのイノベーション・プロセスを高度化するTRIZ活用法(アイディエーション・ジャパン株式会社:上村 輝之)
- QFD-TRIZを活用した社内イノベーション推進活動〜「驚き」のタイヤ商品開発、「革新的」な技術開発力の基盤構築へ向けて〜(東洋ゴム工業株式会社:柏原 直人)
- TRIZを用いた食育支援ロボットの開発〜色と栄養の関係を理解する〜(沼津工業高等専門学校:大津 孝佳)
- 開発手法の導入による開発・営業体制の強化QFD・TRIZ・シーズドリブンQDの経験(伸和コントロールズ株式会社:山本 拓司)
- TRIZ的発想で資源の再利用!技術問題解決から新規ビジネス展開へ−TRIZで、さりげなく24億円のコストダウン−(富士通アドバンストテクノロジ梶F森谷 康雄)
- TRIZ 技術システム進化パターンから見る電磁ブレーキの今後(株式会社協和精工:林 政広)
- TRIZで発明的に解決するアプローチの再考−リバースTRIZの思考活用−(ソニー株式会社:永瀬 徳美)
<ポスターセッション>
- USITの実践適用における改善検討〜解決の方向を見失わないために〜(USIT研究会:留目 剛)
- 「TRIZを活用した発想強化VE/VEにおけるTRIZの実用的な展開方法」紹介(公益社団法人日本バリュー・エンジニアリング協会:池田 理)
- ビジネスオペレータ「ベスト8」による困りごとの解決事例−高齢者の新しいライフスタイルの提案を例として(その3)―(日本TRIZ協会
・知財創造研究分科会:長谷川 公彦)
- TRIZ流ビジネスモデル創出の枠組を適用した進化系ビジネスモデルの探索〜「LCC(ローコストキャリア)モデル」の進化系ビジネスモデルを探る〜(日本TRIZ協会・ビジネス・経営TRIZ研究分科会):長谷川 公彦)
- シラバス・サブ分科会の活動と成果物イメージの紹介(日本TRIZ協会新しい時代の教育研究 シラバス・サブ分科会・シラバスサブ分科会:黒澤 愼輔)