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第4回TRIZシンポジウム(9/10〜9/12@ラフォーレ琵琶湖)webリポート

 本年度の第4回TRIZシンポジウムは、9/10〜9/12にラフォーレ琵琶湖にて盛大に開催されました。参加者は、企業、大学、コンサルタント、個人の立場で、約180名でした。米国、英国、イスラエル、マレーシア、中国、韓国など海外からも約20名も含まれています。

 プログラムの中の講演のポイントは次のようです。招待講演として、3件がありました。1つ目は、イスラエルのインテル社のAmir Roggei氏からの「TRIZは役立つか?インテルの教訓」、2つ目は、松下電器の福嶋洋二郎氏からの「松下電器本社R&D部門におけるTRIZ活動」、 3つ目は、米国MITのSeruei Ikovenko氏から「TRIZの開発と運用の将来の方向」でした。さらに、チュートリヤルとして、創造開発イニシアチブの堀田政利氏から「TRIZの基本」、産能大の黒澤慎輔氏から「ディスカッションを通じてTRIZを学ぶ」がなされました。


 公募の一般発表テーマは、46件(海外からの発表14件を含む)で、その中に21件のポスターセッションがあり、熱い議論が展開されていました。(左図発表が、プロエンジニア教育研究所のポスターセッション風景:TRIZ協会提供)また。ポスター会場には、プロエンジニア教育研究所、(株)アイデア、日本アイアール(株)、産能大などのベンダーコーナーも併設されていました。

 発表の中で特に印象に残るテーマを1つだけあげてみました。その発表は、東北リコーの管野比呂志氏による「世界初自動両面印刷機開発でのTRIZとUSIT活用」でした。この機械は、240ページ/分の高速機械です。「インキ汚れしない搬送」、「コンパクトと低コスト」の2つの矛盾を解決したことでこの開発が実現できたそうです。その中で印象的だったのは、トリミングの逆発想で、「ワンドラム両面製版方式」、すなわち、無駄にしていた原紙を有効活用することとスマートリトルピープルを使い、ガラスビーズローラーを発想した点です。さら、これにより、22件の特許出願にも結び付けられたそうです。

 ベンダーコーナーにて、プロエンジニア教育研究所は、今回、ソフトを使わない「TRIZ実践講座」、技術者のコスト意識を鍛える「ビジネス性工学講座」、これで使えるTRIZの韓国語版書籍などを出展しました。特に、ポスターセッションを聴いてくださった方々には、IT・ソフトウェア、ビジネス事例も付加した、明日からすぐ使える「やさしい40の発明原理ツール」をプレゼントしました。おかげさまで、用意したツールは、全てなくなりました。プロエンジニア教育研究所のホームページにも掲載しました。イントラネットで活用していただけましたら幸いです。

 また、シンポジウムでは、交流会、ギターコンサートなどのプログラムもあり、徹底的な意見交換に加えてリラックスができる場も提供されていました。