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アッベの原理

  2つの測定面間に被測定物を挟んで寸法を標準尺で測定する場合には、標準尺を測定軸と同一直線上に並べておくと、ベッドの平面度による測定誤差を小さくすることができる。これをアッベの原理と呼ぶ。 アッベの原理
原理
 図のように、標準尺が、ベッドに固定され、心押台の顕微鏡により読み取る場合、心押台の移動距離 d と測定面の移動距離 l との差は次式で表される。
d – l = h×tanθ・・・・・・・・・・・・・・・(1)
 ただし、θは心押台の傾斜、hは測定軸と標準尺の距離を示す。θは非常に小さいから、(1)式は、(2)式となり、測定誤差はθに比例する。
d – l = h×θ・・・・・・・・・・・・・・・・・・(2)

応用例
 一般の精密測定器は、アッベの原理に基づいて設計される。例えば、機械式のマイクロメータは、標準尺に相当する部分が測定軸と同一直線上にあり、精度の高い寸法測定が可能となっている。一方、ノギスは標準尺に相当する部分が測定軸と同一直線上になく、d – l = h×θの影響を受ける。アッベの原理を用いない測長器も存在している。エッペンシュタインの原理と呼ばれる光学式のものである。