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第6回TRIZシンポジウム(9/9〜9/11@神奈川工科大学)webリポート

 2010年度の第6回TRIZシンポジウムは、9/19〜9/11に本厚木の神奈川工科大学にて開催されました。TRIZ協会によると、参加者は、企業、大学、コンサルタント、個人の立場で、約165名でした。その中には、韓国から41名、英国、伊、カナダ、イランなどから5名が含まれています。予想外に多数の人が参加しておりました。日本からは約119名で、多くの参加者がリピート参加者のようです。なぜなら、自費でも参加しようとされる熱心な参加者が多いためと感じました。韓国企業の中でもサムスンの突出ぶりが目立ちます。サムスンのCheong氏が発表した「サムスンSMDにおけるTRIZの推進」の質疑の中で、TRIZの普及のポイントについて、的を得た意見を述べていました。日本企業とサムスンで、TRIZの導入や普及について、違いは何かについてこう述べています。サムスンでは、トップ自らTRIZを知っており、Cheong氏もトップからTRIZの習得を進められたそうです。

 プログラム中の講演は次のようです。招待講演として2件ありました。1つ目は、イラン革新技術研究所のKarimi氏からの「イランにおけるTRIZの普及活動」、2つ目は、カナダInsight Technologies研究所のKhomenko氏から「強力な思考の一般理論(OTSM)」でした。チュートリヤルとして、(株)アイデアの前古護氏から「TRIZを知ってみよう」が話されました。さらに、今回は、テーマ講演として、「TRIZ活用の知財戦略と実践」、「商品企画のためのTRIZの活用」、「教育とTRIZ」、「ソフトウェア、ITのためのTRIZの活用」、「マネージャーのためのTRIZ」が企画されていました。


 公募の一般発表テーマは、32件(海外からの発表12件を含む)で、その中に11件のポスターセッションがあり、熱い議論が展開されていました。発表内容は、ハードウェアへの適用事例だけでなく、ソフトウェア、ビジネスなどに対する研究等多岐にわたっています。ただ、残念だったことが2つあります1つ目は、日本からの発表は20件と少なく、企業の実践事例がほとんど見受けられなかったことです。2つ目は、会場が神奈川工科大学ということもあり、地元の中小企業と大学からの多くの参加を期待していましたが、極僅かだったようです。

 また、シンポジウムでは、交流会、多くのグループ討議などのプログラムもあり、徹底的な意見交換できる場も提供されていました。