TRIZ公式サイトぷろえんじにあ

TRIZ&MOT学習のための技術・経営キーワードリスト TOP

トレーサビリティと不確かさ

 国際計量基本用語(VIM)では、トレーサビリティを「不確かさがすべて表記された切れ目のない比較の連鎖を通じて、通常は国家計量標準または国際計量標準で決められた標準に関連付けられ得る測定結果または標準の値の性質」と規定している。ISO9001でいう「計量標準の遡及性」となる。なお、不確かさは、測定できない「真の値」が測定値とどのくらいばらつきの範囲にあるかを示すことである。

特徴
 正確にものを測るためには、計量器が正確な標準器で校正されていることが重要である。トレーサビリティとは、「ユーザの計測器がどういう経路で校正されたかが分かり、その経路がきちんと国家標準までたどれること」をいう。トレーサビリティの特徴は、絶対値によって測定の共通性をもたせるため、測定器の性能が国家標準、国際標準まで切れ目なくつながっていることを求めている。トレーサビリティ制度の要求項目は次の通りである。
 @校正における比較が切れ目なく、SI単位までつながっている。
 A不確かさを示す。
 B手順を文書化する。
 C測定能力を証明する。
 D適正な間隔で標準器を校正する。
 また、不確かさという概念の導入で、従来の精度とどう違うかを定義し、その求め方と表示方法も規定している。

意義
 国際計量機関と校正機関の国際相互承認によって世界中のエンドユーザーが同じ基準で判断できるようになろうとしている。