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センサー・フュージョン

 センサフュージョンとは、異種のセンサ情報を統合化した形で処理することによって、一つのセンサからは得られない新しい機能を創り出そうという考え方をいう。人間の脳を模したファジーやニューラルネットワークなどの推論による知識情報処理の意味でもある。

特徴
 従来のセンシングシステムは、主にアナログ情報や数値情報として処理されていたのに対して、測定物の状態の異常/正常まで把握する。さらにその原因も探ろうというものである。

意義
 これまでは一つの原理によるひとつのセンサを利用してきたが、誤動作の可能性を減らす限界に達しつつある。一方で、ニーズも多様化し、単純なセンサでは対応できないという事態も出てきた。そこで、複数センサの融合、すなわちフュージョンが必要となってきた。

応用例
 手ぶれがあっても、それをキャンセルさせる処理を行わせる手ぶれ防止機能搭載の携帯型のビデオカメラが代表的適用事例とされている。また、同時に話をする複数の話者と背景のノイズの中から、特定話者の音声のみを口の動きから取り出す聴覚センサと視覚センサとのセンサフュージョンも報告されている。

将来展望
 昨今、いろいろな分野でセンシングシステムの自動化が進められている。また、ヒューマノイドロボットに代表されるように、触覚、視覚、聴覚の感覚測定も開発の加速を予測され期待されている。最終的には、ファジーやニューラルネットワークなどとともに人工知能と統合化したシステムとして活用されるものと予測できる。