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ナノ研削加工

1 解説
 ナノ研削加工とは、超精密研削加工とも呼ばれ、nm(10-6mm)単位での研削加工と定義できる。ナノ研削加工は、超精密加工、超精密測定、超精密制御とともに、ナノテクノロジーを構成する生産技術の3 本柱の一つである。主な特徴として次の2つをあげることができる。
 @ ナノ研削加工は、一般的に多数のダイヤモンド砥粒が切れ刃となり、長時間にわたって工具表面が一定に維持される。
 A 加工物に作用する砥石の作用面積は、切削工具に比べて数十〜数千倍にもなるので、研削抵抗も大きく高剛性、高精度の研削装置が要求される。
 具体例として、レーザービームプリンターの非球面レンズの加工があり、ピエゾ素子を用いて閉ループで実施している。その精度は、面粗度で約50nmである。

2 所見
 ナノ研削では、しゅう動テーブル等機器要素の位置決め、計測機器等の分解能をnm 以下に抑え、温度、振動、ゴミ等の加工環境をどうコントロールするかがポイントとなる。具体的研究例では、低熱膨張ガラス製砥石軸を採用して、温度変化による伸縮を抑えた例やnm台の精度を保証するため、砥石切り込み用圧電アクチュエータを導入したもの等がある。実際には、ナノ加工そのものが、オープンループ制御のままのものもあり、加工、測定、制御と三位一体の開発が必要である。