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セラミックスの射出成形

1 解説
 セラミックスの射出成形の原理は、基本的には樹脂の射出成形と同じで、金型のキャビティ内に原料を高圧で押し込む。樹脂の射出成形との違いは、成形助剤の添加である。塑性変形能がほとんどなく、流動性がないセラミックス粉末に射出成形可能な流動性をもたせるためには、樹脂などの有機材料を成形助剤として混合、加熱する。
 セラミックスの射出成形の主なメリットは、次のようである。
@ 金型表面と原料との反応もなく、転写性が優れているため、寸法精度が高い。
A 金型を用いているので量産性が高い。
B 成形助剤の脱脂工程があり、脱脂速度制御などが複雑。
 本成形の用途として、家庭用のバリカンや自動車部品のセラミックターボチャージャー等がある。

2 所見
 一般に、射出成形の場合、1万個以上製作する部品でないと経済的効果は得られないとされるが、複雑な形状の部品に限定すれば、その限りではない。最近では、射出成形法以外に原料のセラミックス粉末を水などの溶剤と混ぜてスラリーを作り、成形型に流し込むスリップキャスト法やスリップキャスト法の石こう型をセラミックス粉末に変えた、V プロセスなども使用されている。セラミックス部品の生産数量、形状、精度等により総合的に選択する必要がある。