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走査型電子顕微鏡

1 解説
 走査型電子顕微鏡とは、SEM ( Scanning Electron Microscopy ) とも言い、試料の表面上を小さいビーム状に絞った電子線を走査し、試料からの二次電子または反射電子の強度分布を、一次ビームと同期しながら観測画像表示する評価装置である。
主な特徴は次のようである。
@ 真空中で測定を行う装置である。
A 試料の表面付近の形状、凹凸および、定性的では あるが、組成の分析も可能である。
B 加速電圧を高くすると、半導体などの場合、絶縁 物を帯電させたり、MOSデバイスのような場合、SEMによって評価することで電子線照射によるダメージを生じさせることがある。
 用途としては半導体材料および半導体デバイスの評価が主であるが、精密機械部品等の検査にも使用されるようになってきた。

2 所見
 顕微鏡の基本的ニーズは、
@ 分解能が高いこと。
A 焦点深度が深いこと。
であるが、もう一つ重要なニーズとして
B 観察は非破壊的であること。
がある。電子線照射によるダメージを生じさせる特徴が走査型電子顕微鏡のデメリットで、このニーズに反する。しかし、最近、そのデメリットをメリットとしたものとして、欠陥部を削りとって検査できるものも出現している。今後さらに、半導体微細化と併せて高精度化する必要がある。