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超音波探傷

1 解説
 超音波探傷は、材料の不連続部で超音波が反射される性質を利用したもので、欠陥から反射された波が戻ってくるまでの時間を計り、材料の音速を用いて欠陥までの位置を知る方法である。
特徴として
@ 平板状の欠陥であれば、どんなに薄くても検出可能であるが、球状の欠陥検出能力は低い。
A 材料の金属組織が微細であれば、超音波はかなり遠くまで到達するので、大型部品の内部まで検出可能である。

2 所見
 検出可能な欠陥の大きさは、使用する超音波の波長の約1/2 といわれており、波長の短い、すなわち高い周波数を利用するほうがより小さい欠陥を検出できる。しかし、実際には結晶の大きさより短い波長では結晶粒界で乱反射を生じることがある。鋳物や大型鍛造品では結晶寸法が大きく注意が必要である。
 超音波探傷には、適切な校正用試験片を用いて試験を設定し、結果を正しく解釈できる訓練を受けたオペレータを必要としている。対象物形状が複雑であると、検査が困難となる。超音波厚さ計は、測定する材料に合わせて校正する必要があり、厚さ測定する範囲が広い場合、または音響的に多様な材料の測定を必要とするアプリケーションには、それぞれの条件に合せた設定が必要性が生じる。超音波厚さ計は、機械式計測機器に比べると高価である。