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自動車エンジンの排気ガス対策

1 解説
 自動車エンジンの排気ガス対策は、これまで、エンジン制御技術、各種センサ技術、触媒技術を核に進められてきた。現在の排気ガス対策の中心は、三元触媒システムと呼ばれるもので、日本、ア メリカのガソリン車に採用されている。
 現在、実用化されている排気ガス触媒は、浄化方式によって酸化触媒と三元触媒に分類できる。その大半が三元触媒である。三元触媒は、排気ガス中に含まれる有害な炭化水素(HC )、一酸化炭素(CO )、および窒素酸化物( NOX )の三つの浄化率が最適値となる空燃比に制御するものである。

2 所見
 自動車触媒は、その浄化性能向上をはかるだけでなく、自動車として要求される基本性能にかかわる問題、例えば、加速性能に影響する圧力損失、材料の安全性、材料の安定供給、リサイクル等さまざまの観点を留意する必要がある。
今、注目の排気ガス対策として、ディーゼルエンジンがある。この仕組みは割とシンプルである。まずは空気を吸い込む。この空気をピストンで圧縮して行くと、物理法則に従って温度が上がって行く。十分に温度が上がったところにノズルから霧状の燃料を噴射すると、点火プラグで火をつけなくても温度の影響で自然に発火する。着火のタイミングは燃料の噴射時期で決める。ピストンエンジンは、燃焼前の圧縮が高ければエネルギー効率が上がるので、出来るだけ圧縮を上げたいが、事前に空気と燃料が混ざっているガソリンの場合、あまり圧縮し過ぎると早期着火などの異常が起きてエンジンが壊れてしまう。その点ディーゼルは圧縮する時にはただの空気なので圧縮を高めても早期着火はあり得ない。その結果、より高圧縮にできるから燃費が良くなる。これがディーゼルの最大のメリット、省燃費の理由である。