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粘弾性

1 解説
 粘弾性とは、弾性的性質とともに時間に依存する粘性的性質をもつ性質を示し、コンクリート、プラスチックス、ゴム、繊維、高分子溶液などがその性質を示す物質で粘弾性体とも言う。粘弾性体で 作られた試験片に、一定の引張応力σ0 を生じるような荷重をa のように時間 t1の間加えたとすると、ひずみはb のように時間とともに変化する。ここで、OA は瞬間弾性ひずみ、AB では遅延弾性ひずみと粘性流動が共存する。BC は瞬間弾性回復ひずみ、CD は遅延弾性回復ひずみである。粘性流動した部分は最後まで回復しない。
 特徴は、次のようである。
@物体に外力を与えるとひずみが同時に生じる。
A外力一定に対し、ひずみは減速しながら一定になる。
B外力を除くとひずみが同時に減少する。
Cさらに減速しながら一定値になる(ひずみは消えない)。


2 所見
 粘弾性流体についての研究は、各種流れ場に対する挙動の比較・検討を行っている例がある。張力の異方性によって棒に巻きついて這い上がるワイゼンベルグ効果、ダイから噴出する際に径が増大するバラス効果など特有の現象が起こる。例えば、せん断粘度がひずみ速度の増加に伴い低下するような擬塑性流体、また、第1、第2法線応力を持ち、伸張ひずみに対して伸張粘度が変化するようなBoger流体、さらに両者のレオロジー特性を有する粘弾性流体を用い、流体の挙動・特性が流れ場の形態にどのように依存するのか等について研究がなされている。