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液晶

1 解説
 液晶は、規則的に配列されている液晶分子の配列や向きを電界や熱によって変え、その時に生じる液晶層の光学特性の変化を利用する。液晶素子にはいろいろな種類がある。ネジレネマチック型液晶素子の例を紹介する。偏光板 A によって直線偏光された入射光の偏光面は液晶層中を光が通過するとき、電圧無印加時は液晶分子の向きに従って90度回転する。この光が偏光板 B に達すると、ここで進行が止められる。一方、適当な値の電圧を印加すると液晶分子は、電極面に垂直に向きを変えて並ぶ。つまり、電圧の ON/OFF によって素子を通る光は遮断あるいは通過する。
 用途としては電子、通信機器、自動車等広範囲に及ぶ。

2 所見
   現在、日本メーカーの研究開発や営業の現場では、なぜ中国や韓国のメーカーに勝てず、報われないのかという呻きにも似た声が充満している。経営者は、出口を見つけられない苦労に身悶えている。技術開発はハードウェアそのものよりもシステム開発にシフトしなければならないのに、それがなかなか進まない。どうしてこのような事態になったか。技術者の責任も大きい。技術バカと呼ばれる喜びから抜け出せなかったことである。例えばTFT液晶の開発では、アイデアそのものは日本オリジナルではないが、日本の技術者たちはコストの安いアモルファスシリコンの活用策や回路設計の微細化、そして無欠陥製品の製造など、パーフェクトなものづくりをめざしてきた。いつのまにか、差別化技術とされていた技術が、誰でもできる技術となってしまったのである。これには、日本企業のリストラで、頭脳が海外流出してしまったとか、金型の図面を海外流出してしまったとかの反省点も多い。