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制振材料

1 解説
 制振材料とは、この部材の振動のエネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換する機能を持つ材料であり、その結果として、振動レべルを下げ、騒音の発生を少なくする材料である。
 ブリタニカ国際大百科事典の定義ではこうなっている。「騒音や振動の発生、あるいは伝播を抑制するために使用される減衰能の高い材料。減衰能というのは、振動など外から加えられた力学的エネルギーを材料内部で熱エネルギーに変換する能力である。力を加えたとき、ゆがみが時間的に遅れて発生 (粘弾性体) すると減衰能が生じる。」
制振材料としては、制振鋼板が代表的である。制振鋼板の構造は、2 枚の鋼板の間に粘弾性特性を有する樹脂を挟んだサンドイッチ構造を持つところに大きな特徴がある。さらに、鋼板に樹脂を貼り合わせた構造のものもある。
制振特性では、とくに、サンドイッチ構造の制振鋼板は、ゴムやプラスチックスに匹敵するものも出現している。

2 所見
 制振材料の特性としては、制振性能が高いことは当然ながら、強度、加工性などの機械構造材料の特性も兼ね備えた材料とすることが開発の重要なポイントである。制振鋼板では、機械的強度、信頼性を得るために、特に接着強度を上げることが今後の課題である。また、使用上の留意点として、使用温度を限定する必要がある。