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ヒートポンプ (冷凍サイクル )

1 解説
 ヒートポンプとは、冷凍機のように熱を温度の低いところから温度の高いところへ持ち上げる役目をするものと定義できる。低温の蒸発器で蒸発した冷媒ガスを圧縮機で圧縮して、高温のガスとして凝縮器へ送る作業をする。冷凍機のサイクルのサイクルで凝縮器で捨てる熱量を暖房に使用すれば、電気ヒータで暖房するより、はるかに経済的となる。
 もう少し詳しく述べるとこうなる。移動する物質の運動速度は摩擦によって熱が発生し減速するが、摩擦熱を集めても運動は発生しない。また、水の中にインクを落とすと広がっていくが、自然にインクが集まることはない。このような現象を不可逆変化という。熱現象に関しても自然現象において熱は高温部から低温部へ移動するが、逆に低温部の熱が高温部へ移動する現象は起こらない。これは熱力学の第2法則によって説明されている。ヒートポンプは、熱の移動現象に逆らって、熱を低温部から高温部へ移動させる装置のことである。ちょうど揚水ポンプが水を低所から高所へくみ上げることに似ている。熱をくみ上げるという意味からヒートポンプと呼ばれている。つまりヒートポンプは動力などのエネルギーを利用して、低温部の熱をくみ上げ、より高温の媒体に熱を移動させる装置のことをいう。ヒートポンプで熱を移動させるためには特定な物質を介して行われる。この物質のことを作動媒体または冷媒などという。作動媒体としてはフルオロカーボン類やアンモニアのような流体のほか、臭化リチウムなどの水溶液がある。

2 所見
 ヒートポンプは、無限にある空気や地下水の熱を利用するので、燃料を利用しないクリーンな暖房が可能となる。しかし、いままで冷媒としてオゾン層破壊物質であるフロンを使用しており、フロン全廃にむけて、代替フロンでの高効率なヒートポンプを早期に開発する必要がある。