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レイノルズ数

1 解説
 円筒管内の流れの中に細い管から染料を注入すると、流速の小さいときには線状となって流れるが、流速の大きいときは流体と混じり合い広がる。流速の小さいときが層流で大きいときが乱流となる。層流から乱流への遷移は流速の変化だけでなくレイノルズ数Reに依存する。つまり、層流から乱流への遷移は流速U(m/s)、代表長さL(m)、動粘度ν(m2/s)によって決まり次式で表される。
   Re=UL/ν
 わかりやすく表現すれば、例えば水道の蛇口をちょっとだけ捻ると、水がスーっと(泡立っていない状態で)流れ、蛇口を思いっきり捻ると、バシャーっと周りに飛沫を飛ばして流れる。スーッと流れる状態は、層流と呼ばれ、水がバシャッと流れようとする力を水の粘り気で抑えている状態で、分母である粘性力が大きく、レイノルズ数としては小さくなる。反対にバシャーっと流れている状態は、乱流と呼ばれ、流れようとする勢いが水の粘り気では抑えきれなくなった状態で、分子である慣性力が大きく、レイノルズ数が大きい状態になる。

2 所見
  実際に飛んでる、ヘリコプターや航空機などは高レイノルズ数(Re=100000〜1000000)下の運動になる。また、小型飛行機は、小型(全長が15cmくらい)ゆえにReは低くなりRe=1000〜10000程度となる。トンボなどの虫も低レイノルズ数領域で飛んでいる。今までの理論式においては、航空機の力学的な観点からは、全て高Re領域として扱っていた。