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電子ビーム加工

1 解説
 真空中で電子ビームを放出し、工作物表面に衝突時に発生する熱エネルギーを用いて、穴あけ、溶接、表面処理を行う加工法である。
 電子ビーム加工の原理は、加工室上部に電子ビームを発生させる電子銃の内部にある陰極を高温に加熱した状態にして、電子を飛び出させ、陽極にて電圧を掛けて電子を加速し、その電子を収束させて電子ビームとする。 電子ビームを電磁収束レンズや偏向レンズにて焦点位置を設定したり、照射位置を自在に変えたりする。電子は、質量が微量であり、慣性力を無視出来る為、高速移動ができる。加工室は、電子を拡散させない為に真空状態にする。製品に衝突すると電子の運動エネルギーが熱エネルギーに変わり発熱する。その熱を集中させれば溶接、分散させれば表面改質 が行える。電子ビーム溶接はEBW(Electronic Beam Welding)といい、電子ビームを当てて製品内部でキーホールを形成して移動させる事 により後方に溶融層ができて溶接する。 電子ビームは集束性が良い為、少ない熱量でキーホールが奥深くに形成する事ができ、細く深い溶融層ができるため 受熱が少ない溶接も可能となる。
 特徴は次のようである。
@スポット径を小さくでき、微細加工が可能である。
A真空中の加工で工作物表面の酸化がなく、クリーンな加工ができる。
B高融点材の加工が可能である。
 ただし、真空チャンバーの制約で工作物の大きさが制限されたり、電源が大容量となり高価なのが欠点である。

2 所見
 特になし