TRIZ公式サイトぷろえんじにあ

TRIZ&MOT学習のための技術・経営キーワードリスト TOP

レーザービーム加工

1 解説
 レーザーは誘導放出による光の発信・振幅という現象である。レーザー光は波長や位相がよく揃っている。単色性、指向性に優れた特性を持つ。この特性を利用して高エネルギーのレーザー光を、光学系を使って工作物表面に収束させ、穴あけ、切断、微少量除去の除去加工、溶接、表面処理などを行う。炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザーなどが利用されている。
 炭酸ガスレーザは、波長が10.6μmの遠赤外線で、可視光がおよそ0.4〜0.7μmであるため、人間の目には見えない。連続発信とパルス発信が可能である。レーザ発振機の効率(レーザ媒質に投入されたエネルギに対する出力レーザ光のエネルギの比率)が10〜20%とYAGレーザの2〜4%に比べてかなり高く、大出力による高能率加工が可能であるため、特に板金切断への適用が進んでいる。
 YAGレーザは、波長が1.06μmの近赤外線で、やはり人間の目には見えない。連続発信とパルス発信が可能である。YAGレーザは、CO2レーザより波長が短いため、集光性が良く、また、金属に対する吸収率が良いので、電子部品などのマーキング、スクライビング、トリミングなどの微細加工や切断・溶接に利用されている。この波長は光フアイバを透過しやすく、レーザ光を加工点までフレキシブルに伝送できるので、自動ラインへの適用がしやすい。
 レーザ加工の長所をまとめてみると以下のようになる。
@非接触のため、被加工物に加工力を及ぼさず、プラスチック、皮革、布などの加工歪みが生じやすい材料や薄肉部品の切断にも適用できる。
A超硬金属、セラミックなどの機械加工の困難な材料の切断ができる。
B加工領域が非常に小さいので、微細、精密、複雑な形状の切断、狭あい部の表面処理、後処理不要な溶接などが可能である。
C高いエネルギ密度を持つので、セラミックなどの高融材料の溶接、異質金属の接合などが可能である。
D光学系を制御して、レーザスポットの軌跡を任意に描けるので、さまざまな形状の加工が可能である。

2 所見
 特になし