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焼き入れ

1 解説
 材料を高温に加熱した後、室温あるいは低音に保持した水、油などの冷媒中に投入して急速に冷却する熱処理のことである。Al合金では、冷却中に生じる硬化に寄与しない析出が抑制され、時効処理による硬化の程度を大きくできる。鉄鋼材料では、焼き入れ硬化ともいい、オーステナイ組織から急冷してマルテンサイト組織を得る熱処理をいう。
 炭素工具鋼の焼入れでは、焼入れによるマルテンサイトの硬さそのものを利用するので低温焼戻しで硬さを下げないようにする。200℃以下の低温焼戻しでは、組織はソルバイト化せず、過飽和に固溶した炭素はε炭化物として析出する。これにより、焼入組織は0.3%C程度の低炭素マルテンサイト (焼戻マルテンサイト) に変化し、硬さを維持しつつ内部応力を緩和させて、靭性を回復する。過共析鋼では、A1変態の段階でフェライトは消滅し、オーステナイト+セメンタイトの組織となる。このため全体が均一オーステナイトになる (Acm線を越える) まで加熱しなくても焼入可能となる。温度が高いほどセメンタイトの溶込みが多くなり、焼入硬さも高くなっていくので、適正な温度としなければならない。しかし、過共析鋼になると、炭素の溶込みが多いからといって、直線的に硬くなるというワケではない。炭素量と硬さの関係をプロットすると、それらは直線関係ではなく、対数のグラフのように炭素量の増加に対する硬さの上昇は段々と寝てくる。つまり、高炭素側では炭素量を増やしても焼入硬さはそれほど上昇しない。

2 所見
 特になし