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浸炭焼き入れ

1 解説
 炭素量の少ない鋼を浸炭剤中でA1変態点以上の温度で長時間加熱すれば、その表面付近に炭素含有量の多い浸炭層ができる。これを焼き入れ、焼き戻しすれば、表面層が硬くなる。ガス浸炭が主流であるが、浸炭方法も進歩を続けている。浸炭処理のコストは他の処理コストに比べて一般に高いのが課題である。
 炭素鋼、低合金鋼を焼入れした場合、得られる硬さは、添加された合金元素の影響をあまり受けず、主として含有する炭素量により焼入れ硬さが決まる。一般的に、炭素量が多いほど、焼入れ硬さは高くなるが、0.85%を超えると焼入れ時、残留オーステナイトが増加して硬さが得られにくくなる。 浸炭焼入れは、低炭素鋼系の材料に適用している。例えば、低炭素鋼(0.05〜0.1%)を焼入れしても、得られる硬さは、HRC20程度だが、最表面から炭素を拡散し、表面の炭素濃度を上げてやると、HRC60以上に硬さが得られる。つまり、浸炭焼入れは、低炭素鋼系材料を用いて、炭素を拡散し、表面は硬く、内部は硬さが低く、じん性のある材料をつくる方法なのである。

2 所見
 特になし