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第10回TRIZシンポジウムwebリポート@早稲田大学
 (弊社は「ユビキタスのためのTRIZマーケティング」を発表。イントロで動画紹介)

 ※ TRIZとは(概要を確認する)


 2014年度の第10回TRIZシンポジウムは、9/11〜9/12に早稲田大学で開催された。TRIZ協会によると、参加者は、企業、大学、コンサルタント、個人の立場で、131名で、微増傾向にあった。

 今回の参加者の傾向で特徴的なことは、外国からの発表者が、基調講演1名とポスター発表1名の計2名と減少傾向となっている点である。外国からの参加者は全部で10名弱のようだ。だだ、リピート参加者が若干減少しているが、初めての参加者の割合が2年連続で約1/3となっている点は希望が持てる。

 基調講演を含む総発表件数は、最終的に30件(ポスター、海外からの発表1件、パネルディスカッションを含む)であった。入門者に喜ばれている具体的なTRIZの現場での適用事例は、4件程度である。中でも、「過酷環境で使用するロボット開発へのTRIZ活用」の福島第一原発の廃炉作業の解決方法についてのテーマは、TRIZの専門家が協力して解決していかなければいけないテーマではなかと感じた。弊社も、今年は下記のようなインパクトのあるコンテンツを発表した。

<弊社発表内容概要>
 技術者を対象に、TRIZをどうしたら使ってもらえるか、TRIZシンポジウム10周年ということで、10年間実施してきた工夫例を報告した。それは、TRIZシンポジウムやセミナー等で収集した顕在ニーズや独自の視点で分析した潜在ニーズに対する対応策となっている。いつでも、どこでも、誰でもTRIZがTRIZ導入の理想解である。すなわち、ユニバーサル性またはユビキタス性である。
 発表スライドとともに、26年前、鳥肌がたつほど感動したXerox PARCのMark Weiserが考えたユビキタス・コンピューティングのビデオの一部を紹介した。これを見ると、現代のスマホやiPadやTV会議システムの原型が既に考えられていた。マーク・ワイザーには、技術進化トレンドは関係ないようだ。アップルのジョブスやマイクロソフトのビルゲイツは、それよりもずっと前にこれらを見学後、MacやWindowsなどを事業化しているのである。それらは、「取り逃がした未来(日本評論社)」に記述されている。


 ユビキタス動画:スマホやiPadは、30年以上前にXerox PARCで既に試作済みだった

 ※発表スライド(24ppt):
 ユビキタスのためのTRIZマーケティング〜いつでも、どこでも、誰でも、TRIZを利用できるように〜


 なお、シンポジウムのプログラムの内容は、次のようであった。以下に列記する。

<チュートリャル(入門者向けTRIZ概要セミナー)> <基調講演> <特別講演> <パネルディスカッション> <オーラル発表>
  1. SNマトリックスとTRIZの連携による顧客ニーズの取り込み〜7つのソリューションを繋げる機能ベースの展開〜(オリンパス梶F緒方 隆司)
  2. ロボット教育におけるTRIZ〜ブロックロボットのTRIZ教育への適用〜(鈴鹿高専:大津 孝佳)
  3. SNマトリックスとTRIZの連携による設計時のリスク回避〜7つのソリューションを繋げる機能ベースの展開〜(オリンパス梶F土屋 浩幸)
  4. 未活知財を覚醒させ、新たな顧客価値を創造する実践的アプローチ- Four Twist マトリクス による社内知財発掘〜(ソニー梶F永瀬 徳美)
  5. Darrell Mann提唱のビジネス・マネジメント系進化トレンドの適用方法と適用例(日本TRIZ協会:伊沢 久隆)
  6. S字カーブ分析による技術予測〜イノベーション誘引方法論としての一考察〜(新井国際特許事務所:新井 信昭)
  7. ハードディスク業界におけるイノベーションによる技術進化のトレンド((株)HGSTジャパン:谷口 友規)
  8. 物質―場分析と標準解を用いたオープンタスクに対する解答案の創出(日本TRIZ協会:吉澤 郁雄)
  9. 理想性設計を目指した構想設計プロセスに関する研究(早稲田大学:澤口 学)
  10. TRIZ適用拡大のための一法〜TRIZが使いにくい商品への適用のために〜(潟Aイデア:井坂 義治)
  11. 過酷環境で使用するロボット開発へのTRIZ活用(鞄立製作所:岡田 聡)
  12. デザイン業務のプロセス改善に関する研究(早稲田大学:加藤 結衣)
  13. 実践の場でどのように初心者をTRIZへ導くか(潟fンソー:久永 滋)
  14. 発明原理すごろく〜TRIZ発明原理シンボル40 on 9画面〜(高木 芳徳)
  15. 自動車用ユニット開発におけるTRIZ適用事例(潟ニバンス:土屋 翔)
  16. TRIZをビジネスに普及させるには(潟鴻S:津曲 公二)
  17. TRIZによる高耐久性電動弁の開発(伸和コントロールズ(株):松田 幸士)
  18. TRIZによる業績向上のためのリスクマネジメント(リスクマネジメント協会:小林 久朗)
  19. JNC 株式会社におけるTRIZ 活用事例紹介(JNC株式会社:吉田 尚之)
  20. ユビキタスのためのTRIZ マーケティング〜いつでも、どこでも、誰でもTRIZ を利用できるように〜(ぷろえんじにあ:粕谷 茂)
  21. TRIZ&TM&シミュレーションによるコマの開発〜全日本製造業コマ大戦への挑戦〜(潟Aイデア:片桐 朝彦治)
  22. 創造的な問題解決・課題達成のための一般的な方法論〜いろいろな適用事例と技法を「6箱方式」で整理する〜(大阪学院大学:中川 徹)
<ポスターセッション>
  1. 生産的思考の技術としてのTRIZの8つの原理(TRIZ塾:黒澤 愼輔)
  2. 簡単なTRIZ的価値評価方法の提案〜高齢者の新しいライフスタイルの提案を例として(その1)〜(日本TRIZ協会:長谷川 公彦)
  3. 10日間不在時プランターに水を供給する方法(MPUF:留目 剛)
  4. 原因探索展開 (DeSC)〜問題の原因を網羅する〜(MPUF:長井 哲也)
  5. The improvement of the fabrics used in the professional market through research on consumer need and engineering parameters(UEZO/SENAI CETIQT:Sergio Baltar Fandino)